金融不安により、不動産市場が大きく低迷している中で、これまで
以上に不動産鑑定の重要性が高まっています。
株よりやさしい不動産投資信託ジェイ・リ-ト入門
ですので、今回は不動産の価値を計る方法について簡単ではござ
いますが、解説させていただきたいと思います。今までは「取引事
例比較法」と呼ばれる不動産鑑定法が主流でした。
これは該当する不動産と同じエリアで、過去に取引された同じよう
な不動産を探すことによって、そのときの売買価格を基準にしなが
ら不動産価値を決める方法です。
現在でも多くの不動産はこの方法で売買されています。
この鑑定法の特徴としては不動産が相対取引という非常に透明度
の低い方法で売買されており、情報を入手することが困難です。
さらに、不動産は株のように頻繁に売買がありません。
比較できる事例が極端に少なく、エリアを広げるなり、条件を緩め
て比較するしかございませんでした。また、国が発表する土地の
値段である公示価格が拠り所にされてきました。
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これでは不動産の収益性を評価するには適していません。
このため注目されることになった、その不動産の収益性に注目し
た「収益還元法」という評価方法です。「収益還元法」では、その
ビルがどれくらいの収益を上げられるかに注目します。
入居率が高いほうが月あたりのグロスの家賃収入も高くなります。
そして、管理サービスが行き届いていれば、賃料が多少高くても
入居率はけっして下がることはありません。
つまり、土地や建物の状態というハード面だけではなく、その建物
のソフト面にも光を当て、不動産の価値を判断するわけです。
この「収益還元法」にはいくつかの種類もございます。
一般に、収益還元法といえば「直接還元法」のことです。
1年目の収益を投資家の期待する利回りである「総合」還元利回り
=キャブレーションで割り引いて、その不動産を評価します。
ただ、不確実性の高い不動産を鑑定するには、きめ細かく将来の
キャッシュフローの変化を反映出来るDCF法という鑑定方法が、
不動産の証券化などでは主に用いられることになります。
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