今現在、市場にてMBSと並んでもう1つ注目されていますのが、
CMBS(Commercial Mortagage Backed Securities)、商業
用不動産モーゲージ担保証券です。
ノンリコースローンを証券化したCMBSは、住宅ローンの証券化
であるMBSに対して、商業不動産ローンの証券化です。
ちなみにノンリコースローンとは、担保となる不動産意外に拘束
されないタイプの融資となっています。
ですので、もし仮に債務不履行が発生し、貸付金の回収不足が
あっても債務者の他の資産からは回収出来ないことになります。
このノンリコースローンの浸透に伴って日本でも模索されてきた
のがノンリコースローンを証券化するCMBSです。
CMBSの原理は住宅ローンのMBSと同じで、複数のノンリーコー
スローンをプールし、その元利金を裏づけに証券を発行します。
CMBSの場合も、リスクとリターンの異なる複数のトランシェに分
けたデット型証券として証券化するのが一般的です。
ただ、商業不動産は、資産の個別性が強く、リスクの統計的把握
やキャッシュフローの将来の予測が難しいため、住宅ローンに比
べ証券化が難しいとされています。
機関投資家を中心に、市場は拡大傾向にあります。
しかし、90年代終わりに起ったロシア危機による世界的な流動性
危機の際に、CMBSは大暴落したことがございます。
こうした背景には、CMBSは商業不動不動産の市況と金利の動向
の両方に左右される商品の性格上、ある日突然流動性が枯渇して
しまうというリスクがあったためです。
そのためリスク分析がしっかりとできるプロの投資家でなければ、
CMBSの投資は難しいというのが現状です。そうした様々な背景は
あるものの、日本でもCMBS化の動きは加速しつつあります。
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