金利上昇の影響が商業用不動産を圧迫しはじめていることが明かになりました。
今現在、借り入れコストの増加により不動産分野の買収意欲が抑え込まれている
ことをを示す兆候が、不動産投資信託大手アーチストーン・スミス・トラストが米証券
取引委員会に提出した報告書によって明かになりました。
アーチストーンは、不動産開発大手ティッシュマン・スパイヤー・プロパティーズ
と証券大手リーマン・ブラザース・ホールディングズに買収されることで合意した
と今年5月29日に発表したばかりです。
交渉の過程におきましてティッシュマンとリーマンが買収条件を引き下げていた
ことが米証券取引委員会に提出した報告書により明らかになりました。
この買収条件は、アーチストーンの純資産(NAV)に対し、小さなプレミアムに
すぎない、とアナリストは指摘しております。
買い手候補がもう1社いたにもかかわらず、引き下げは起きたとされており、
そうした状況では買値は押し上げられる。
事情に詳しい筋によると、これはブラックストーン・グループだったとされて
いるのですが、。ブラックストーンは5月19日に交渉から手を引きました。
シカゴのREIT、エクイティ・オフィス・プロパティーズ・トラスト(EOPT)を
230億ドルで買収することで合意したが、こうした大型買収はこのような環境
では不可能なことを、アーチストーンをめぐる出来事は示唆する。
商業用不動産業界では、金利上昇が買収を破談にさせたり、条件引き下げに
向けた事態をもたらしているとの懸念が広がっている。
借り入れコストの変化の引き金となったのは、ムーディーズ・インベスターズ・
サービスが4月11日に出した、商業用不動産ローン担保証券(CMBS)に関する
一種の警告だったとされております。
ムーディーズは、ここ最近の不動産ブームのさなか、貸し手の引受基準は緩み
すぎたと指摘することとなりましたが、この警告が結果的にあだとなり、CMBS
購入を敬遠させ、不動産融資の世界に衝撃が広がることとなりました。
そして、とどめは何といっても米国債利回りが先週急上昇したことで事態は
さらに悪化することとなりました。
こうしたことを受けt、CMBS市場の暴が、不動産投資家が借り入れできる金額
を「一変」させた、と指摘しています。
今後、日本も似たような状況に陥らないためにも、市場のおいて要人による不必要
な発言は控えた方が良いかとおもいます。
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